大判例

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東京地方裁判所 昭和57年(ワ)727号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一原告の本訴請求は、訴外西河典子に対する仮執行宣言付手形判決に基づき訴外西河典子が被告に対して有する出資持分につき差押命令を得たとし、被告に対し右差押えに係る出資持分につき取立てを求めるものである。

ところで、有限会社の社員を債務者とし、当該社員が有する出資持分を目的とする強制執行は、民事執行法一六七条にいう「その他の財産権」に対する執行として、原則として債権執行に関する規定が準用され、有限会社を第三債務者として差押命令を発する方法によつて行われる。ただ、有限会社の出資持分は、社員が会社に対して有する権利義務の総体を指し、権利に限つてみても利益配当請求権、残余財産分配請求権等の自益権、議決権その他の共益権等を含んでいて単純な金銭債権ということはできないものである。したがつて、差押命令の効力が生じた後の手続としては、有限会社の出資持分という差押えに係る財産権の性質上、出資持分につき特別の換価手続により強制執行の目的を達すべきであり、第三債務者である有限会社を相手方として、出資持分相当額(出資金)の金銭の取立てを求めることは許されないと解せられる。

してみると、右とは異なる見解に立ち、第三債務者である被告に対し、差し押えられた出資持分につき出資持分相当額の金銭(出資金)の給付を求める本件請求はその余について判断するまでもなく、理由がないといわなければならない。

(吉野孝義)

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